見た目はどこにでもあるすり鉢ですが、中身にはこだわって作っております。
ポイントは内側のギザギザ(櫛目(くしめ)と呼ばれます。)
この櫛目、職人自らが製作した専用の金属の道具を粘土に押し付けて、一つ一つ手作業で付けています。
櫛目の先端が丸くならないよう、包丁のように定期的に金属の道具を研いでいるため、鋭く、よくすれる「櫛目」を実現できます。
型で押し付けて櫛目を作るすり鉢も世の中には存在しますが、櫛目の鋭さがまったく別物です。
すりつぶしやすさにこだわった本物のすり鉢をお届けします。粘土の配合や目の幅・深さなど常に改良を重ね、お客様の立場に立った丈夫で使いやすいすり鉢です。
主に業務用ですが、一般の家庭でも自然薯などをよくする方は11号、12号などをお使いになります。
石見地方独特の飽きのこない赤茶色です。
大正14年創業であるもとしげは、石見焼の窯元として、はんど(水がめ)や植木鉢など、常に生活に密着した道具を作ってきました。現在は「すり鉢」と「おろし器」に特化した専門窯元です。
島根県西部、石見地方。この地で作られる石見焼は、国指定の伝統的工芸品です。石見焼の特長は、耐火度の高い良質な土にあります。その焼成温度は通常の陶器よりもはるかに高い1300以上。まるで磁器のように硬くて軽い丈夫な器になります。そのため、耐水性・耐酸性・耐アルカリ性に優れ、塩害や凍害にも強く、石見地方は古くは水がめ作りの一大産地でした。
この石見焼の特長は、鋭く欠けにくいすり鉢のくし目に活かされます。また、磁器とは異なり、陶器の表面には特有のザラザラ感があり、食材をしっかりとらえることができます。
石見焼は、すりおろしに最適な焼き物なのです。