南ア単一シラー史上歴代最高得点樹立。 アトキン・レポート2022年度版にて、コルメラの99点に次ぐ【TA98点】を受賞し、同号赤の年間#2…単一シラーとしては堂々年間NO.1に選ばれた作品が『エピローグ』の’20年。これにて’16、’17、’18、’19に続く、五年連続アトキン98点超え。切りシラーとしては間違いなく南ア産ベスト・シラーの一つです。’14年にて年間1本のみの栄誉、【Overall Red Wine of the Year】に輝いたワインもまたエピローグでした。『ハーテンバーグ』のグラヴェル・ヒル、『マリヌー』の土壌別三大キュヴェも、『ポルセレインベルグ』など、格のシラーとも対等にやりあう実力は、流石といったところ。ボッシュクルーフ(Boschkloof) アトキン2018年版格付け第二級。1995年に設立された、ヘルダーバーグとステレンボシュの両山脈に囲まれた25ヘクタールほどの小さな農場、『ボッシュクルーフ』。創設者のジャック(下画像中央)は 『シモンシッヒ』、『ルパート&ロートシルト』 らを経て独立。南ア・シラーズ・フォーラムの会長も務め、南アフリカ・ワインメーカーズ・ギルドのメンバーでもあります。才能ある若手の一人として注目を集めている現醸造責任者のリーネン(右画像右)はその息子。こちらは南アではなくローヌで修行を重ねて実家に戻り、2010年にファミリー・ワイナリーに参加。人の手をなるべく加えず、SO2なども最小限に留めたナチュラル製法を醸造哲学とし、自然に恵まれ、多種多様な野生の小動物も生息している農園で、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、シラーズなどを手掛けています(栽培は垣根式で灌漑あり)。小さな家族経営のため栽培、醸造とも細部にわたって丁寧に、そして思う通りに完全管理することができ、それが独自のワイン生産を可能としています。 同社には二つの看板トップ・キュヴェがあり、ボルドー・ブレンド版が 『コンクルージョン』、そしてシラー版がこの 『エピローグ』 です。エピローグ(Epilogue) 葡萄は1996年に植樹された樹齢20年のシラーズを使用。この畑の中でも、エピローグのために用いられるのは特別な1区画だけなのだそうです。20%のみ全房発酵し、その後フレンチ・オークで熟成。可能な限り自然なアプローチがとられるのは全てのワインにおいて共通。混ぜ物なしの100%シラーズです。いまや希少シラーとなってしまい、なかなか触れる機会も減ってしまいましたが、2016年9月の南ア限定試飲会にて参考商品として出品されていたのが’14年でした。当時はインキーな、えんぴつ芯や鉛のような印象があり、若さのわりにシルキーで、近寄り難いことは全く無いのですが、数年先を見てみたいワインでした。Tim Atkin South Africa Report 2022より 【TA98点】 「"I make Epilogue with eight different components, like building blocks," says Reenen Borman of this stunning, world-class Syrah. Hailing from a 1.5-hectare Polkadraai Hills block on decomposed granite, this is scented, plush and intense, with blackberry, fennel and wild thyme flavours, plenty of structure, adroitly integrated 34% new oak and remarkable freshness and palate length. Shows the elegance of the 2020 vintage.」以下は輸入元資料より。「赤や黒系のベリー、スパイス、白コショウ、黒コショウなど豊な香り。柔らかく奇麗な酸、細やかな渋み、シルキーでなめらかな口あたり。決して重くない、柔らかなボディで、バランス良く綺麗なワイン。余韻は長く、エレガントなフィニッシュ。エレガントなローヌ・スタイルで、かつ南アフリカを代表するトップ・シラーの1本。」因みにフランスの著名なガイド、レビュー・ド・ヴァン・ド・フランセがパートナーとなり、毎年フランス人審査員のみでジャッジが行われるというユニークな南ア・ワイン品評会に、「TAJ・クラシック・ワイン・チャレンジ」があります。その2015年度版にて、参加約400本近くのワインから10本のみのベスト・レッドが選出されましたが、その一つに名を連ねていたワインもエピローグでした(’12にて)。南アの名門を渡り歩いた父と、ローヌで力を蓄えた子。二人の才能が交わる大作シラーズです。